転職を考えるきっかけって仕事で嫌なことがあったり負の感情を抱いたりしたときが多いですよね。
- 残業が長すぎて辛い…
- 上司のパワハラに耐えられない…
- 成果を出したのに評価されないのはおかしい…
でもそれって転職理由として正しいのか?ただの現実逃避ではないか?
きっかけとして十分でも『転職の軸』としては不十分な気がしますね
面接での答え方次第ではネガティブな印象を与えそうで心配です
例えば私の場合は「ワークライフバランスの充実」に重きを置いて転職をしましたが、面接ではそのことを一切言いませんでした。
それでもワークライフバランスの整った企業に転職できた経験を基に『転職の軸』の考え方と面接での回答例について解説します。
転職では「ホンネ」と「建前」を上手に使い分けることが重要です。
『転職の軸』の基本的な考え方とは?
年収がアップしたらその転職は成功したといえるのか?大企業に転職することが本当に正しいのか?
人生のターニングポイントともいえる転職はそんなに単純なものではありません。
転職の軸とは「転職が成功した」といえるために絶対に譲れない条件のことです。
- ワークライフバランスを充実させて家族と過ごす時間が増やす!
- 成長分野にキャリアチェンジして市場価値の高い人材になる!
- 英語力を生かして海外に携わる仕事がしたい!
と、転職の軸は人それぞれの価値観や人生のステージによって考え方が違います。
結婚や子育てといったライフステージの影響も大きいわよね
ボクも20代と30代とで仕事に対する考え方が随分変わりました
なので「コレが正解」というものはありません。
その一方で間違った軸の設定をしないよう注意する必要もあります。
「やりたくないこと」は何か?
人はどうしても「やりたいこと」を先行して考えがちです。
しかし「やりたいこと」を転職の軸にするのは以下の理由からおすすめしません。
- 周囲の人との比較や世間体に影響を受けやすい
- 実現可能性の低い夢と現実と混同してしまう
- 想像ばかり膨らんで行動に移せない
「友達が持っているから私も欲しい」で手に入れたものってすぐ飽きちゃったりしますよね
転職は「やっぱり飽きた」で簡単に取り返しがもつくものではありません
そこでおすすめは「やりたくないこと」を転職の軸にすることです。
- もう長時間残業・サービス残業はしたくない
- 人間関係の悪い職場では働くのはもうこりごりだ
- 家族ができたので転勤のある職種は避けよう
このような「やりたくないこと」は自分の経験を棚卸しして出てくるものなのでより現実的な指標となります。
何を妥協できるか?
給料が高くて残業か少なくて自分が成長できる会社…
そんな理想の会社に転職できればいいのですが理想を追い求め過ぎても時間だけを浪費してしまいます。
「転職の軸」を決めることとは同時に「何を妥協できるか」を決めることです。
- ワークライフバランスを犠牲にしてでも成長したいと思えるか?
- 未経験職種へのキャリアチェンジのために給料ダウンを受け入れられるか?
- 仕事の面白みは無くても家族と過ごす時間を優先するか?
このように妥協できるポイントを言語化した先に「本当に譲れない条件」が見えてきます。
転職エージェントに誘導されないか?
転職において心強い味方になってくれるのが転職エージェントの存在です。
ところが『転職の軸』が定まらない状態で転職エージェントに相談するのはリスクもあります。
- 自身の希望を上手に伝えられない
- エージェントの口車に乗せられてしまう
- 転職のペースを乱されてしまう
転職エージェントにもノルマや思惑がありますからね
気がついたら興味のない求人に誘導されるなんてことあるかもしれません
転職エージェントが企業から受け取る報酬は一律ではありません。
「エージェントが受けさせたい会社」に誘導されないためにも『転職の軸』は準備段階でしっかり固めておくのが重要です。
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面接で転職理由を聞かれたときの答え方
『転職の軸』は以下の2種類を用意しておく必要があります。
- 譲れない条件として自分の中に持っておくべき「ホンネ」
- 面接で聞かれたときに印象を良くするための「建前」
「残業が嫌」とか「給料アップしたい」って面接ではあまり印象良くなさそうよね
面接はあくまで選考ですから「建前」を上手に利用することが大切です
例えば私は「ワークライフバランス」を重視して転職活動をした一方、面接では「応募先企業の製品や事業への関心」を前面に出してアピールしました。
そんな経験を基に転職理由を面接で聞かれたときの答え方「良い例」「悪い例」を紹介します。
これは決して「面接では嘘をつきましょう」と言っている訳ではなく、あくまで見せ方の問題です。
印象の良い答え方
面接で最も重要なのは「退職理由」と「志望動機」が一貫していることです。
これさえクリアしていれば、内容はどうとでも変えることが出来ます。
例1:機会の最大化
現在の会社では英語力や海外経験を活かす機会が限られています。御社は業界の中でも海外売上比率が高く、今後も海外進出を加速させることを経営方針に掲げていることに魅力を感じました。
このように成長や経験の機会を最大化することを転職理由にすると説得力が増します。
例2:事業内容との親和性
現在の会社で医療技術に携わることで一層この分野への関心が高まりました。御社は医療業界でトップシェアであることからよりこの分野に特化した知見を深められると考えています。
「自身の希望」を前面に出す場合は同時に「応募先企業の事業内容との親和性」についても言及する必要があります。
例3:より厳しい環境への挑戦
現在の会社では与えられた仕事をこなすだけで昇進できる一方で新しいスキルを身に付ける機会が少なく不満です。それよりもベンチャーで成果主義の環境に身を置くが長期的に見て人材価値を高められると思いました。
「現在の職場への不満」を転職の軸に置くなら「より厳しい環境への挑戦」を対極に置くのが鉄則です。
印象の悪い転職理由とは?
最もダメな例は「退職理由」と「志望動機」とに一貫性がない回答です。
例4:退職理由と志望動機がちぐはぐ
現在の上司と対立することが多く、思い通りに業務を進められないことにストレスを感じて退職を決意しました。御社を希望する理由は海外売上比率が高く、医療分野でトップシェアを持っているので自身も成長できると思いました。
こんな一貫性のない『転職の軸』は面接官に響きません。
また、転職の理由を「ワークライフバランス」に設定すると志望動機が「残業時間が少ない」になってしまいます。
事業内容と全く関係の無い要素を志望動機にすると「うちじゃなくてもよくない?」疑問を抱かせてお終いです。
譲れない条件を満たすために
ホンネを隠して面接していたら希望とかけ離れた企業からしか内定をもらえないのではないか?
そんな不安を払拭するために使うのが企業口コミサイトです。
- 月の平均残業時間はどのくらいなのか?
- 給与や福利厚生の水準は業界の平均値と比べて高いのか?低いのか?
- 職場の人間関係、パワハラ、風通しに不満を感じている社員はどのくらいいるのか?
企業口コミサイトを使えば転職の軸を満たす企業かどうかの選別は可能です。
そもそも面接で聞いたところで採用担当者が正直に答えるとも限らないですからね
もちろん匿名の口コミ100%鵜呑みすることはできません。
ただ、ホームページには載っていない企業の本性を知るツールとして非常に有用です。
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『転職の軸』作りに役立つ2つのツール
以下のような理由から、転職の軸をたった1人で固めようとするのはおすすめしません。
- 感情に任せて衝動的に転職を決めてしまう恐れがある
- 一人では結局「楽な方に流されたい」という欲求に勝てない
- 相場を知らないが故に自身の市場価値を過小評価してしまう
より客観的な情報に基づいて作り上げることがポイントです
「好きなことして稼ごう」的な甘い言葉にも注意してくださいね
ここでは『転職の軸』を作り上げる上で役立つ2つの情報ツールを紹介します。
実際に私も、選考に進む前にこれらのツールをつかって周到に準備してから臨みました。
適職診断サービス
転職は自分の価値観を見つめ直すきっかけでもあります。
- 自分はどんな職種に適性があるのか?
- 何が得意で何が不得意なのか?
- 強いストレスを感じるのはどんな場面か?
このような自己分析を深めてくれるツールとして適職診断サービスが役立ちます。
オンラインで登録不要で使えるものもあるから便利ですよ
特に転職サイトが提供する適職診断サービス「仕事における価値観」に特化した結果が得られておすすめです。
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スカウト型の転職サイト
はじめての転職で難しいのは「自身の市場価値」を正確に把握することです。
- 自分と同い年の給与相場はどの程度なのか?
- 転職でどこまで年収アップを狙えるのか?
- 給与水準の高い業界・職種への転職は可能か?
このような市場価値を客観的に査定する一番確実な方法は企業からスカウトをもらうことです。
最近ではスカウトをきっかけに転職するダイレクト・リクルーティングが日本でも増えてきました
日本人はその謙虚な性格ゆえに自身の市場価値を過小評価して転職の軸を設定してしまうケースがたくさんあります。
そのような機会損失を防ぐためにもスカウトは積極的に利用しましょう。
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『転職の軸』が成功のカギ
私の場合、前職では「将来こんな上司になりたい」と思える人になかなか出会えませんでした。
では、自分はどんな人生を歩みたいのか?
それが『転職の軸』を考える最初のきっかけだったかも知れません。
仕事ができても高圧的だったり家庭を大事にしていない上司ばかりだと将来不安ですよね
日本の企業は閉鎖的だから転職をきっかけに多様な価値観に触れるといいかもしれません
『転職の軸』を固めることは人生における価値観を明確にすることでもあります。
将来どんな人生を歩みたいか?という想像から逆算するとあなた自身の『転職の軸』が見つかるかも知れません。
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