「この会社に骨を埋める気はない!終身雇用なんてもう崩壊している!」
そんな大口を叩いていた新卒時代、気づけば中堅になり、優秀な同期・後輩は次々と辞めていった…
会社や人間関係に不満があるわけではないのに、このまま管理職になる将来にもしっくりこない…
あれ、このままで本当にいいんだっけ?
私の場合、そんな心の中に発生した小さな疑念が転職を決意するきっかけになりました。
でも転職って周りに相談できる人もいなくて不安ですよね
私たちの経験でよければそんな不安を解消する手助けをさせてください
私には中小企業からホワイト大企業への転職を成功させた経験があり、妻には大企業からSESを経て外資系コンサルへの転職を成功させた経験があります。
そんな2人の経験を基に転職の流れと必要期間をわかりやすく解説します。
よく転職サイトで見かける「3ヶ月」では絶対に足りないので注意してください!
【図解】転職の流れと必要な期間を解説
なぜ多くの人が「いつか転職したい」と思いながら実行に移せずにいるのか?
その原因は転職の十分な知識がないために成功のイメージを持てないことです。
全体像をつかめば最初の一歩を踏み出す心理的ハードルが下がります
先ずは大まかなスケジュール感をつかんでおきましょう
そこで、転職の流れと必要期間をわかりやすく図解で解説します!
大まかな流れは以下の3ステップで覚えてください。
転職成功までの3ステップ
転職は以下の3ステップで進めるのが基本です。
このステップは自己分析や志望動機を深掘りするための準備期間です。
- なぜ今の会社を離れたいのか?
- 転職先の企業に求める条件とは?
- 5年先・10年先のキャリアプランは?
これらの問いを言語化できないまま転職活動をしても選考の途中で見透かされてしまいます。
転職の軸が固まったら、いよいよ本格的な転職活動スタートです。
- レジュメ(履歴書・職務経歴書)を作成する
- 転職エージェントのキャリアコンサティングを受ける
- 求人に応募して書類選考や面接を進める
1社目で第一希望の会社を狙うよりもトライ&エラーを繰り返しながら少しずつ通過率を上げていくことをおすすめします。
転職のゴールは内定をもらうことではありません。
- 現職の引継ぎを行う
- 有給休暇を100%消化する
- 引越しなど新生活の準備をする
これらをこなして新しい会社で初出勤日を迎えるまでが転職活動です。
退職の意思はいつ伝えるべき?
次の会社が決まる前に現在の職場で転職の話をするのは危険です。
退職する旨を伝えるのは必ず内定をもらった後にしましょう
直前になったとしても引継ぎさえすれば問題ありません
一般的には2週間から1ヶ月前に退職の意思を伝えればトラブルに発展することはありません。
もちろん、有給休暇を全て消化することも労働者の権利として認められているので余った時間は有効に使いましょう。
転職に必要な期間は3ヶ月?
よく大手の転職サイトに「目安は3ヶ月」って書いてあるけど本当か?
私の実体験からいうと現職で働きながら3ヶ月で転職を終えるのは短すぎです。
- 書類選考に2週間
- 1次面接の日程調整に2週間
- 1次面接の結果発表から2次面接の日程調整3週間
- 内定が出るまでに2週間
- 現職の引継ぎに3週間
- 有給休暇の消化に2週間
と、仮に最速で内定をゲットすることを想定しても3ヶ月以上は確実にかかります。
更に、仕事の合間を縫って面接するから日程調整だけでも想像以上に時間がかかります
転職は人生のターニングポイントとなる重要なイベントなので焦りは禁物です。
納得のいく企業から納得のいく条件で内定を得られるよう、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
転職エージェントに登録するタイミングは?
いきなり転職エージェントのカウンセリングを受けると以下のデメリットがあるのでおすすめしません。
- 自身の希望を上手に伝えられない
- エージェントの口車に乗せられてしまう
- 転職のペースを乱されてしまう
エージェントにもノルマがあるので「言われるがまま」になるのは危険です
特に初めての転職ではステップ1の準備期間がとても重要なんです
後悔のない転職を目指すなら「転職の軸を自分の言葉で伝える」必要があります。
逆にいうと、それさえ出来れば転職エージェントはとても心強い味方です。
転職の準備期間に使える3つのツール
転職は「選択」と「妥協」の繰り返しです。
こうして転職先を絞り込めば絞り込むほど「その他の可能性」を妥協しなくてはいけません。
可能性を切り捨てていくのって結構辛いんですよね…
かといって今の職場に留まっていたら選択肢は広がりませんし…
これらの重要な決断には「自己分析の徹底」と「市場価値の把握」が不可欠です。
そこで自己分析と市場価値の把握に使えるおすすめツールを紹介します。
適職診断サービス
転職は自分の価値観を見つめ直すきっかけです。
- 自分はどんな職種に適性があるのか?
- 何が得意で何が不得意なのか?
- 強いストレスを感じるのはどんな場面か?
このような自己分析を深めてくれるツールとして適職診断サービスが使えます。
基本的にはオンラインでできる無料の適職診断サービスで十分です
「後悔しない転職」は徹底した自己分析からスタートしましょう。
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企業口コミサイト
企業を研究するのにホームページを読むだけでは不十分です。
採用担当者や転職エージェントの耳障りのいい情報だけでなく働く人の生の声を企業口コミサイトで必ずチェックしましょう!
特に「給料」「残業時間」「有給休暇消化率」などの定量的な評価は信憑性が高く、転職後の姿をイメージするのに参考になります。
現在の所属先や同業他社の口コミと比較することで転職の目的も明確になります
ライフワークバランスを重視していたはずなのに転職先の方が残業時間が長かった…
と、このような「転職の目的」と「現実」とのギャップが極力無いように注意してください。
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スカウト型の転職サイト
- 自分と同い年の給与相場はどの程度なのか?
- 転職でどこまで年収アップを狙えるのか?
- 給与水準の高い業界・職種への転職は可能か?
このような市場価値を査定するには「実際にスカウトをもらう」のが最も簡単で確実な方法です。
最近では企業が積極的に求職者にアプローチするダイレクト・リクルーティングも日本で広まりつつあります。
サイトに登録するだけでスカウトをもらえるので転職の手間も最小限に抑えられます
実際に私も、スカウトを利用してホワイト大企業への転職を果たしました。
登録してみると、予想以上の年収でオファーが届くかもしれません。
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書類選考を通過しやすいレジュメの作り方
自己分析が終わって転職サイトへの登録も済んだらいよいよ書類選考に進むフェーズです。
書類選考に必要なレジュメは主に「履歴書」と「職務経歴書」の2つがあります。
- 履歴書
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履歴書はこれまで歩んできた学歴、職歴、保有資格、キャリアブランクの有無(ある場合はその理由)などの経歴をたどるための書類です。
履歴書のポイントは一つ一つの経歴に自分なりの意味づけをして歩んできた道に一貫性を持たせることです。
その一貫した道の中に、あなたという人間の価値観や主張が表れることを意識しましょう。
- 職務経歴書
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職務経歴書はただ事実を網羅的に並べるのではなくアピールポイントを明確にすることが重要です。
- これまで経験してきた仕事のどの部分に厚みを持たせるか?
- 盛り込むべき具体的なエピソードにはどれを選ぶか?
- 自己PRでは何を強調して書くか?
これらの「見せ方」を少し変えるだけで企業の反応は180度変わります。
転職を成功させるには書類選考で「スキルと実績を戦略的に伝えること」が非常に重要です。
実績やスキルはなるべく数字を用いて具体的に書きましょう
最初は転職サイトのテンプレートや例文を参考にしながら徐々に自分に合わせてカスタマイズしていくと時間の節約になります。
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書類選考に見る新卒と中途採用の違い
新卒のときはエントリーシートの提出を求める企業が多かった一方、中途採用では職務経歴書の提出を求められます。
新卒と中途採用とでは「求められる素質が全く異なる」ので注意してください
このように転職では新卒と比べて「人のよさをアピールする」より「仕事ができることを納得させる」方が重要です。
この点を意識しながら必要最小限な情報をレジュメに盛り込み、面接ではプロットに沿って簡潔に話すことを意識します。
内定が出てから意識する2つのポイント
転職には新卒と違って「いつまでに転職しなければいけない」という期限がありません。
転職しなくても今の仕事がなくなるわけじゃないですからね
一方、採用した企業からすれば1日も早く入社して欲しいとプレッシャーをかけてくることもあります。
そこで内定をもらってからも冷静に確認すべき2つのポイントを解説します。
ここで気を抜かず、いかに転職活動を振り返られるかが後悔しないためのカギです。
転職の軸を振り返る
自分のことを採用してくれたのだから「良い会社」違いない!
と、内定を出してくれた会社を過大評価してしまいがちになります。
そこで先ずはこの転職で何を実現したかったのか?という「転職の軸」にもう一度立ちることを心がけましょう。
- 内定先は希望していた条件とどの程度一致しているか?
- 中でも絶対に譲れない条件はクリアしているか?
- 今の会社に留まるよりもメリットを得られそうか?
希望と100%一致した企業であれば迷う必要もありませんが、実際にはそう簡単にはいかないものです。
少し時間をかけて「仕事に対する思い」や「これから歩んでいく人生」を冷静に棚卸ししてから決断しましょう。
給与と入社日の交渉
内定を承諾するとは「給与条件」と「入社日」を承諾することです。
- 基本給・残業代・賞与のバランスは?
- 入社してから5年後・10年後の想定年収は?
- 現在の会社での引継ぎや有給消化を踏まえた入社日を設定できるのか?
日本人は特に給与に関する条件の交渉が苦手です。
お金にがめついみたいな印象を持たれるのが恥ずかしいんですよね
でも仕事にプロ意識があるからこそ報酬に妥協できないともいえます
実際に私は3社から内定が出るまで承諾を延期し、オファー面談で最も良い条件を提示した企業の内定を承諾しました。
外資系から内定を得た妻は「年収○○以下なら内定承諾しません」と給与交渉もして希望年収を獲得したほどです。
補足)なぜ転職活動にはエージェントが必要なのか?
転職活動でエージェントを利用することにはたくさんのメリットがあります。
- キャリアコンサルタント
- 履歴書や職務経歴書の添削
- 非公開の求人を紹介
- 面接の練習
- 面接日の日程調整
- 給与交渉や入社日交渉の代行
- 入社後のギャップや満足度のフォロー
えぇ!こんなにもたくさんのサポートを受けられるの?
しかもほとんどの場合は無料でこれらのサービスを受けられます
転職エージェントは企業と求職者のマッチングが成約すると、企業から報酬を受け取ります。
なので、求職者の側に費用が発生することはほとんどありません。
転職エージェントには「企業から内定をもらうためのノウハウ」が蓄積されていますのせ、それらを利用してキャリアアップに役立てましょう。
円満に退職する流れ
内定承諾が済んだら、いよいよ現職の上司に退職する旨を伝える段階です。
このとき絶対に絶対にやってはいけないことがあります。
それは退職前に今までの会社への恨みをぶちまけることです。
気持ちはわかるけど、そんなことをしても何の得にもなりません
立つ鳥跡を濁さずという言葉の通り円満な退職を心がけましょう
一期一会のご縁が再びどこかでつながる可能性だってあります。
そこで退職の際に大人の対応として意識しておくべきポイントをまとめます。
引止めには絶対に耳を貸さない
- 今キミに抜けられてしまっては困る!
- ○○のプロジェクトが終わるまではやめないでくれ!
- 後任なんて用意できない!
人によって様々な引止めをされるかと思いますがこれらの引止めには一切耳を貸さずに退職を進めてください!
人が足りないといわれてもそれは会社の問題ですよね?
引止めの際にでてくる「甘い条件」にも惑わされないよう注意しましょう
私の友人には「残ってくれたら希望部署に異動させてあげる」といわれて内定を辞退したのに結局異動させてもらえなかったケースもあります。
このような甘い口約束に惑わされず、断固とした決意で退職することが大切です。
業務の引継ぎは淡々と進める
会社に残る人たちの業務に支障がきたさないよう引き継ぎすることは転職者の義務です。
担当している業務量にもよりますが最低でも2週間~1ヶ月間程度は見ておく必要があります。
後任がすぐに決まってくれればいいんですけどね…
会社が協力的じゃない場合は先に引継ぎ書の作成を進めちゃいましょう
後任がいない場合、その業務の責任を負うのは直属の上司です。
引継ぎ書を作成して上司にメールで送っておけば少なくとも「引継ぎに協力的な姿勢」を示す証拠を残せます。
有給休暇は100%消化すべき?
有給休暇を100%消化せずに退職するとその会社に対する嫌な印象が残ってしまいます。
引継ぎという「義務」を果たしたら、有給休暇を取得するという「権利」も主張しましょう。
上司が有給消化を認めてくれない場合はどうしたらいいですか?
上司に拒否する権利は無いので無視して休んで大丈夫ですよ
メールを送るなどして「有給取得を申請した客観的な証拠」さえ残しておけばいざというときにも対抗できます。
もし上司に直接言いづらい場合は退職代行を利用して有給休暇を100%取得することも可能です。
転職の流れと必要期間まとめ
- 転職には準備期間・活動期間・退職期間の3ステップがある
- それぞれのステップで2ヶ月程度、全体で6ヶ月程度の期間が必要
- 転職の軸を定めてそれにあわせたスケジュールを立てる
- 転職エージェントを味方につけて納得のいく内定を得る
- 内定を得たら現在の業務を引き継いで円満に退職する
以上が転職の全体的な流れと必要期間のまとめです。
心から「転職して本当に良かった」と思えたときが転職成功の瞬間です
どんなに小さな決断も「自分の意思を貫くこと」を大切にしてください
この5つのポイントを守っていれば自然と一貫性のある理想のキャリア歩むことができます。
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