転職会議は株式会社リブセンスが運営する企業口コミを中心とした情報プラットフォームです。
求人情報や企業のホームページを見ても内部の実態まではなかなか見えてこない…
かといって、新卒と違ってOB訪問もしづらい…
転職会議は「社員の生の声」を投稿できる口コミサイトによって転職時の不安を解消してくれる便利なツールです。
でも匿名の投稿ですし、どこまで信用していいのか気になりますね?
参考にすべき情報とあてにならない情報の見極めが大切よ
そんな転職会議の情報の信憑性、あてにならない投稿の見分け方、効果的な使い方について実際に使った経験を基に解説します。
結論、転職会議は特に以下のような使い方がおすすめです。
- 求人を出している企業の部署毎の残業時間を事前に確かめる
- 応募する職種毎に予想される年収を比較、シミュレーションする
- 正社員と非正社員との口コミを分けて閲覧する
- 想定質問を予習して面接の練習をする
- 複数の会社から内定をもらったときに比較する
転職会議の信憑性を裏付ける3つの事実
転職会議を利用する上で一番気になるのは投稿内容の信憑性ですよね?
結論から言うと転職会議の情報を100%信用して鵜呑みにすることは不可能です。
転職会議に投稿された口コミを無料で見るには、自身も所属会社の口コミを投稿しなければなりません。
でも「転職を考えている人」や「既に転職した人」の投稿はネガティブに偏りがちです
- 仕事で受けたストレスの鬱憤晴らし
- 自分を高く評価してくれなかった会社への恨み節
- 転職に成功した人から前の会社へのマウンティング
中にはこういった主観の多い投稿もたくさんあるのが実態です…
その前提で、それでも転職会議の情報には一定の信憑性があると思う3つの理由を解説します。
厳しいガイドラインと事前審査
転職会議では口コミの信頼性を上げるために数多くの取り組みを行っています。
- 投稿される全件・全文を目視チェック
- アカウント停止や口コミ削除を含む、やらせ・不正ユーザー対策
- 非公表のアルゴリズムによる評価算出
- 特定の個人に向けた誹謗中傷の禁止
- 誇張した表現や行き過ぎた主観による投稿の禁止
また、転職会議で投稿前に以下のようなガイドラインが表示され、2重に不適切な投稿を防ぐようになっています。
そもそも投稿の内容と実態とがかけ離れていてはユーザーの信頼を獲得できません
転職会議が10年以上サービスを継続できているのはこうした企業努力があってこそといえます。
企業の削除依頼に対するポリシーを明示
どうせネガティブな投稿をしたって企業か簡単に削除依頼をしてしまうのではないか?
ユーザーとしてはそんな疑念も持ちますが、転職会議は企業から削除依頼を受ける条件を明示しています。
- 投稿の削除申請ができるのは権利を侵害された当事者及びその代理人弁護士のみ
- 削除対象となるのは権利侵害にあたる可能性のある投稿のみ
- 問い合せは企業ドメインのメールアドレスから送らなければならない
- 評価スコアに対する削除依頼は一律お断りしている
企業にとって不都合な投稿があるからといって簡単に削除依頼できるわけではないんですね
また、違法性のある削除申請をした場合にはその旨を転職会議サイト内に記載することまで示唆されています。
※ご注意ください※
送信防止措置の申し出は、 法律により、権利を侵害されたとする当事者及び代理人弁護士のみに限られています。
削除代行業者などの第三者による申し出と判断された場合、法的な処罰の対象となります。
なお、現在、削除代行業者を名乗る者による違法性のある削除申請が横行しているため、転職会議事務局で常時調査を行っています。
当該申請が違法性のある削除申請であると判明した場合、然るべき対応を取るとともに、当サイトにその旨を掲載します。
引用元:転職会議ヘルプページ-“投稿の削除申請は、誰でもできますか?”
このように削除依頼に一定のハードルを設けることで企業が自身の評価を恣意的に操作できないようにしています。
投稿者が訴えられるリスクもある
これは賛否両論あるかもしれませんが、実際に転職会議に違法な口コミを投稿して訴訟を起こされた事例もあるようです。
参考「転職会議」への誹謗中傷の投稿者を特定し、損害賠償請求に成功した事例
「訴えられるのが怖くて口コミができなくなるのではないか?」という意見もあるかも知れません。
でも口コミを投稿する側も内容に責任を持つ方が信憑性の高い情報が転職会議に集まると私は考えています。
ルールを守って良識的な使い方を推進すればみんなで建設的な口コミサイトを作れるはずです
口コミ投稿時には“裁判所からの開示命令、行政機関からの開示要請を除き”といった投稿者のリスクも明示されます。
「前の会社への不満をぶつけたい」という使い方は推奨されませんので十分注意しましょう。
※次の関連記事に転職会議を使うリスクについてより詳しくまとめました
関連記事
【危険】転職会議の口コミはすぐバレる?会社の悪口を書くときのおすすめ投稿方法を教えます
転職会議の投稿がそれでも「あてにならない」と感じるポイント
転職会議は厳しいガイドラインを設け、企業にもユーザーにも責任ある利用を促している点は評価すべきです。
一方で、実際に使ってみてまだ信用に欠ける点もいくつかあると感じます。
特に口コミサイト最大手のオープンワークと比較すると転職会議の「足りない部分」がよくわかります
中でも転職会議の信憑性がまだ「あてにならない」と評価したくなる3つのポイントをまとめました。
口コミ数がまだまだ少ない
転職会議との比較でよく引き合いに出るのが同じ企業口コミサイトのオープンワークです。
口コミ数は転職会議が300万件超えなのに大してオープンワークは既に1000万件を超えています。
参考オープンワーク-“社員口コミ数が1,000万件を突破しました”
口コミ件数が多いほど極端な意見の影響力が薄まって情報の信頼性が上がるのは間違いありません
とはいえ、オープンワークはVokers時代を含めると2006年からサービスを展開しているのに対し、転職会議は2011年に本格始動した後発のサービスです。
この辺はもう少し時間を経て口コミ件数が蓄積されていくことを期待しましょう。
回答者人数がわからない
転職会議の特徴として口コミの件数は表示されている一方で回答者の人数が表示されていません。
1人の人がたくさん口コミをしているのか?たくさんの人が口コミをしているのか?
それによってユーザー目線で口コミの信憑性は変わるので、その重要な情報が欠けているのは問題です。
あと、これはシンプルに間違いだと思いますが、総合評価のチャートでは口コミ件数と同じ数字で回答人数が表示されてしまっています。
1人が複数の口コミをしているのが一般的なので、これは明らかに誤った記述です。
こういったケアレスなところが「あてにならない」といわれてしまう原因かもしれません。
運営会社(リブセンス)の口コミが不自然
私は企業の口コミサイトの信憑性を調べるとき、運営会社の口コミを見るようにしています。
見てみたら転職会議の運営者であるリブセンスの口コミはちょっと不自然でした。
特に気になったのがその口コミ件数で、従業員数が367人(臨時従業員を含め)なのに対して口コミが1445件もあります(2021年8月時点)。
単純計算すると全従業員が平均4件も口コミ投稿していることになるけど、そんなことってあるのでしょうか?
もちろん、中には既に退職した人の口コミも含まれるのでしょうが、それにしても口コミ件数/従業員数の割合が他の企業と比較して不自然に高いように感じます。
例えば従業員が7万人以上いるトヨタでさえ、口コミ件数は3701件です(2021年8月時点)。
中立な立場でなくてはいけない口コミサイトの運営会社であるリブセンスの口コミが不自然だと、ちょっと違和感を感じざるを得ません。
転職会議の「あてにならない」情報を排除する効率的な使い方
転職会議を調べてみた結果、信憑性のある点とあてにならない点、両方がありました。
ただ、総合的に見たら転職先を選ぶ上で十分な参考情報は得られるという印象です。
実際に過去/現在の会社の口コミを見ると「なるほど、確かに」と同意できる部分は多々あります
重要なのは転職会議のあてにならない情報をいかに排除して効率的な使い方をするかです。
そこで転職会議の特に見るべきポイントや、オープンワークと比較したメリットを中心に解説します。
面接・選考の口コミ
転職会議で最も役立つ情報は面接・選考の口コミです。
面接でどんなことを聞かれたか?何回くらい面接するのか?受け答えのコツはあるのか?
転職会議で得られるこういった情報は面接の準備に重宝できます。
会社を退職した人でも「面接・選考の口コミ」でその不満をぶつける人は滅多にいません
この項目はオープンワークにはない転職会議ならではの強みです。
非正社員の口コミをフィルターできる
派遣社員や契約社員などの非正社員は一般的に、正社員にくらべて会社への帰属意識が低く低評価をつけがちです。
転職会議では非正社員の口コミをフィルターできるので正社員で求職している人には見やすい設計になっています。
ここも、オープンワークにはない転職会議ならではの強みです。
定量的に評価できる口コミを重視する
転職会議では以下のような定量的に評価できる口コミを重視しましょう。
- 手取りの月収は○○万円でした
- 月の平均残業時間は○○時間でした
- 有給休暇の取得率は1年でおよそ○○%でした
会社に恨みがあってもこういった具体的な数字で嘘をつくのには抵抗があるでしょうからね
特に年収は年代別見やすいグラフになっていて、職種別には平均年収との比較もできます。
この会社に入ったら何年後にどのくらいの年収になるか?をシミュレーションするのに転職会議は非常に便利です。
直近の口コミを重視する
政府による働き方改革の推進やコロナ禍における働き方の変化により職場環境は年々速いペースで変化しています。
もう3年以上前の口コミになると信憑性が期待できない印象ですね
転職会議のいいところは投稿日順だけでなく勤務時期順で並べ替えられるところです。
情報の鮮度が重要な時代において、回答日順でしか並べ替えられないのはオープンワークの重大な欠点ともいえます。
職種別の口コミを重視する
同じ会社でも、部署や職種によって働く環境や抱えている課題は様々ですよね。
例えばメーカーなら本社のスタッフ系と工場勤務のエンジニアとでは口コミ内容も全く異なります。
転職会議は職種別に企業評価、平均年収、平均残業時間がまとまっていて特定の職種で求職している人にみやすい設計になっています。
転職の場合は求人の時点で既に職種が決まっているのでありがたいです
この機能を使って不必要な口コミはフィルターし、本当に見るべき情報にダイレクトにアクセスしましょう。
転職会議の信憑性が「あてにならない」かは使い方次第
転職会議は決して「口コミこそが正義」という考え方で運営はされていません。
- 口コミだけではなく、企業のメッセージも含む多角的な視点で情報を精査しなければならない
- 会社の良し悪しではなく「自分に合うか合わないか」の見極めが重要
- 企業の外面も内面も理解した上で求職者が納得して会社を選ぶことをサポートする
このような理念が転職会議のコンセプトとして示されています。
実際には入社してみないとわからないこともたくさんありますしね
オープンワークとも併用すればより信憑性の高い情報が得られるわよ
「口コミが悪いから受けたくない」ではなく、あくまで数ある参考情報の1つとしてニーズにあった活用方法を見出すことが重要です。
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