去年はあいつが突然異動した…
次は誰の番だ?
自分に声がかかるのはいつだ?
毎月3月や9月に緊張が高まるのはサラリーマンの悲しい性ですよね。
異動は突然何の前触れも無く通知されるから怖いんですよ…
余裕を持って知らせてくれれば心の準備もできるんですけどね…
私自身、念願かなって希望の部署に異動できたわずか2年後に別の部署への異動が決まったときはショックを隠せませんでした…
- 家族のために今の環境を変えたくない
- 担当しているプロジェクトを最後までやり遂げたい
- 仕事の内容も人間関係も今の部署が理想的だ
そんな希望を無視するかのように、異動の話は誰かがどこかのタイミングで勝手に決めてしまいます。
私自身の苦い経験を基に異動の予兆となる「周囲の変化」や、いつ・誰が決めるのかという「プロセス」について解説します。
人事担当者に直接聞いてわかった意外な事実とは?
そもそも異動はいつ・誰が決めるの?
異動の前兆はどこを見ればいいのか?
と、その前に異動はいつ・誰が決めるのかという「決め方のプロセス」を知ることからはじめましょう。
誰に決定権があるか次第で見るべきポイントも違いますからね
プロセスを知ると「自分に白羽の矢が立ちやすい状況かどうか」がわかるようになります
人事経験者から聞いた内容を基に解説します。
異動の決め方プロセス
会社や職種によってまちまちですが、異動の人事は以下のプロセスで決まります。
異動人事は「人」の問題である以前に「お金(人件費)」の問題です。
各部署にどの程度のリソースを割り当てるか?という予算配分がスタート地点になります。
この時点ではまだ具体的な個人名までは出てきません。
ステップ1で決定した予算計画に基づいて人事が組織の方針を決定します。
いわば大枠の組織図がここで形作られるわけですが、同時に人の増減数も決まっている可能性が高いです。
当然ですが、担当者の異動よりも優先度の高い管理職の異動が先に決まります。
通常、担当役員が決めるのは部長・課長といった管理職の人事です。
ただし規模が小さい会社の場合は担当役員が直接平社員レベルの人事にまで口を出すこともあります。
異動の最終的な決定権を握っているのは直属の部長・課長レベルの管理職です。
遅くとも3ヶ月前には個人名レベルで異動が決定しています。
意思決定のキーパーソン一覧
以下は異動の決め方に関わるキーパソン一覧です。
決定者 | 内容 |
---|---|
経営陣 | 部門毎の予算の割り当て |
人事 | 組織体制の大枠方針(組織図・人数)の決定 |
担当役員 | 管理職(以下)の人事 |
部長・課長 | チーム構成メンバーの人事 |
平社員 | 希望提出(但し何の拘束力も無い) |
なぜ異動の意思決定は水面下で行われるのか?
プロセスは1年も前からはじまっているのになぜ何の前触れもなく異動が告げられるのですか?
それはあまり早く告げすぎてしまうと転職などの準備をされてしまう危険があるからです
異動の決定において人事や管理職が最も恐れているのは人材流出です。
あまり長い時間的な余裕を持たせてしまうと、転職活動などの退職準備を進められてしまうかもしれません。
逆に、本人の希望通りの部署に異動する場合は早い段階で通知することもあります。
異動の予兆となる5つのチェックポイント
以上のプロセスを踏まえると、実は異動の予兆は早くて1年くらい前から見えている場合があります。
え、そんなに早くからわかるものなんですか?
前触れが無かったのではなく、ただ気づいていないだけなのかもね
平社員の異動といえども、人事の決定は一朝一夕ではされません。
早めに異動を察知したい場合は少なくとも以下の5つのポイントを注視してください。
自部門の業績が右肩下がり
最初の前兆は業績に現れます。
当然、「自部門の業績が前年比マイナス」という状態が続けば人員配置の見直し対象になりやすいです。
会社のミッションが利益を出すことである以上、これは仕方ないですね…
自部門のマイナスが続いた場合もそうですが、他部門のプラスが続く場合も補充要因として指名される場合があります。
- 年間の数値目標
- 目標の達成率
- 他部門との相対的な会社への貢献度
これらは毎年チェックして数年単位の推移を追うと自部門の置かれている立場を客観視できます。
業績への貢献度が低い
部門単位での会社への貢献度だけでなく「個人」としての自部門への貢献度もチェックしましょう。
なぜなら管理職は自部門の中で業績への貢献度が低い人から異動候補にあげるからです。
厳しい現実ですが評価の低い社員ほど異動が多い傾向があります
ボーナスや昇給における評価が平均以下の場合は次の異動候補に自分も入っていると覚悟しましょう。
目的不明な人員補充
業績が上向いているわけでもないのになぜ新入社員が配属されるんだ?
誰かと入れ替えというわけでもないのに突然他の部署から異動がきたぞ?
このような不自然な人員補充があった場合は代わりに誰かが異動する前触れだと思って間違い有りません。
私が異動を言い渡されたときも、その半年前に目的不明の人員補充がありました…
基本的に売上が増えない限り人員補充(人件費の増加)はありえないので最も露骨な前兆といえます。
担当業務の縮小
これまでは「自部門から異動者がでる予兆」でした。
もしこの状態で自身の担当業務が縮小していったらいよいよ本格的な異動の予兆です。
OJTのつもりで一部の業務を任せていたらそのまま引継ぎなんてことも…
ここまで来ると異動がある前提で身辺整理や家族とのコミュニケーションも初めていいかもしれません。
上司の態度が急変
上司には守秘義務があるので正式な内示が出るまで本人に異動の旨を伝えないのがルールです。
とはいえ、上司も人間なので態度や言動に無意識に変化が表れてしまうことも多々あります。
個人差はありますが、人によっては明らかに急変することもありますね
- 優しかった上司が急に冷たい態度を取ってきた
- 飲み会に顔を出す頻度が明らかに減った
- 目を見て話してくれなくなった
冷たい態度を取りたくて取っているというより悟られないためにあえて避けているのでしょう。
異動に備えて事前にできること
異動の前兆が見えたらどうすることもできないのか?
希望に沿わない異動はなるべく避けたいところですよね…
残念ながら異動の命令が出たらサラリーマンは拒否できません
なので正式決定する前にいかに抵抗するかがポイントです
私は実際に異動の前兆を察知して事前に回避できたことが何度もあります。
実際に使った方法も含め異動の予兆が見えたときに使える3つの対策を紹介します。
自分の貢献度をアピールする
上司との面談を通じて異動したい/したくないといった希望を伝えるだけでは不十分です。
特に異動したくない場合は「異動させると会社にとって不利益である」ということを説得する必要があります。
- このプロジェクトの遂行は自分だけにしかできません
- 部署の目標は未達成ですが個人の目標は達成できています
- 今私がいなくなるとこの案件の受注が困難になります
ここまでハッキリ言えれば理想的ですけど、実際はそう簡単にいかないですよね…
それまで積み重ねてきた信用が多ければ多いほど会社と対等に話す交渉力を持つことができます。
家族の特殊事情を上司と共有する
- 両親の介護で地元を離れることができない
- 子供に障害があるため単身赴任が困難
- 育児と介護のダブルパンチで身動きが取れない
問題の程度にはよりますが、介護や育児などの家族関係の特殊要因で異動を回避する事例はありえます。
実際に裁判で異動を拒否した労働者側が勝訴した事例もあります
ただしこういった家族の事情は異動の前兆の有無に関わらず上司と共有しておくことが大切です。
転職の準備をする
- 自分の道は自分で決めたい!
- 会社にキャリアの決定権を委ねたくない!
- 家族の意思を第一に尊重したい!
このようにキャリア選択に対して強い主張がある場合は「転職」というカードを持つことが最善の解決策です。
転職活動をきっかけに自身の市場価値を確かめてみるのもいいですね
長い目で見たら会社にしがみつく方がむしろリスクかもしれません
私は新卒で入社した会社で、突然言い渡された望まない異動を無条件で受け入れたことを後悔していました。
結局、異動した直後に転職先が見つかり、異動先の部署からは迷惑に思われたかもしれません。
異動の前触れがあった時点で転職活動を始めていれば、いざというときに即座に動けます。
転職には引き継ぎ・有給消化も含めるとおよそ6ヶ月間必要ですので、準備だけでも先に進めておくと良いでしょう。
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異動の前触れを見逃さないために
私は望まない異動をきっかけに転職を決意しました。
- どんな職種でキャリアを積むか?
- どこに生活の拠点を置くか?
- 仕事をしながらいかに家族の意思を尊重するか?
このようにライフステージにあわせて理想のキャリアを歩むには異動の権限を100%会社に委ねるのは危険だと判断したのが大きな理由です。
キャリアや生活拠点など人生の大切な決定は自分の意思で決めたいです
20代と30代とではキャリアの考え方も変わるので柔軟性も確保したいですよね
キャリアプランに柔軟性を持たせるには「自信」と「時間」の両方が欠かせません。
異動の前触れを見逃さず、きちんと予兆を把握して先手を打つことを心がけましょう。
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