- うちの上司くちばっかりで無能なんだよな
- 何回同じ自慢話を聞かされなきゃいけないんだよ
- あんな威圧的な態度パワハラだろ
こんな風に居酒屋で上司のグチをこぼすのがサラリーマンの象徴的な姿として描かれているのをみるとなんだか寂しい気持ちになります。
少なくとも私は新卒で出会ったはじめての上司への尊敬と感謝の念を退職した今でも忘れていません。

どんな人にあたるかは運次第ですが、部下思いの上司もたくさんいますよね



上司の質の良し悪しが必ずしも転職するかどうかに関係するとは限りません
とはいえ、できる部下から辞めていく現状にショックを受けてしまう人もたくさんいるようです。
そこで部下が退職したときのショック・寂しい気持ちとの向き合い方について転職した経験を基に解説します。
部下思いの真面目な人ほど「自分のせいかも…」と思い悩む傾向があるので注意しましょう。
部下の退職は寂しい?ホンネを聞いてみた


私は新卒で入社した会社で海外営業部に配属されました。
仕事は楽しかった一方で、英語も堪能で海外経験の豊富な人材は転職では売り手市場のため離職率も高かったです。
ある日、私が入社してまだ1年目のときに教育担当だったA先輩が転職してしまいました。



1年目に教育担当に会社を去られるなんて大変でしたね



優秀な先輩で仕事もたくさん抱えていたから引継ぎが大変でした
それから数年後のある日、上司とお酒を飲んでいるとふと当時の話になりました。
「あのとき、できる部下を自分のせいで失ったことを今でも後悔している…」



上司がいうには当時、ある大きなプロジェクトを誰に担当させるかで迷っていたそうです
候補に挙がっていたのは実力も経験も豊富なA先輩と、高い能力はあるものの経験の浅いB先輩。
最終的に、今後の成長を期待してB先輩にそのプロジェクトの担当を任せることに決めましたが、A先輩が会社を去ったのはその決断のわずか3ヵ月後のことでした。
「退職の報告を受けたときはショックだったけど、あの決断が部下の将来を左右することはわかっていた。当時の決断が正しかったのか今も答えが出ていない…」



尊敬する上司からこのような本音を聞けたことは衝撃的でした
一方で、別の上司は退職した部下に対して「これまで手塩にかけて育ててやったのに恩を仇で返しやがって」なんてことをいっていました。



上司によってこれほどリアクションが違うもある意味衝撃ですね
真面目な人ほど部下の退職にショックを受ける3つの要因


同じ会社に勤めていた友人たちの話を聞くと部下の退職に否定的な態度をとる上司もたくさんいます。
- お前なんか他所へいっても通用しないぞ!
- ここまで育ててやった恩を忘れたのか?
- 残りの有給休暇は消化させないからな!



最後にこんなひどいことを言う人もいるんですね



転職なんてしたことないくせによくそんな勝手なことが言えるよな
私が退職の報告をしたとき、幸いにも上司は私の決断を好意的に受け止めてくれました。
そういった部下思いの上司ほど退職の報告に裏ではショックを受けているのです。
上司から直接話を聞いて特に印象強く感じた3つの要因を解説します。
相談に乗ってもらえなかった
転職活動というのは基本的に、社内の誰にも明かさず水面下で進めるものです。
そしていざ希望の会社から内定をもらえたとき、初めて情報をオープンにします。



内定が出ないうちに転職活動がバレるのは大きなリスクですからね



相談しなかったというより、そもそも上司に相談できる類のものではないんです
とはいえ、可愛がっていた部下から事後報告的に退職の意思を伝えられたらショックを隠せないのも理解できます。
ただ、「自分が同じ立場だった相談できたか?}ということをよく想像してみたら答えは明らかです。
成長のチャンスを与えてやれなかった
上司には仕事の割り当てや業績査定といった部下に対する一定の人事権が与えられています。
- なぜ部下の希望に合った業務を担当させてやれなかったのか?
- もっと早く異動の願いを聞き入れてやるべきだったのではないか?
- 業績査定の際にもっと真摯に向き合うべきだったのではないか?
このように与えられた権限を適切に使っていたら部下の退職は回避できたのでは?という後悔が上司の胸を苦しめます。
あのとき別の決断をしていればもしかしたら…
それは同時に後悔を引きずるのは部下の人事権に関する一つ一つの決断を丁寧に熟考している証拠といえるかもしれません。
会社や制度を変えられなかった
できる部下を失った上司が怒りを向ける矛先は3種類あります。
1つは「育ててやったのに裏切り者!」と部下にぶつけるケース。
もう1つは「自分のせいかもしれない」と自分自身にぶつけるケース。
そして最後の1つが優秀な人材が「働きたい」と思える処遇や環境を用意できない会社への怒りです。



課長・部長クラスでは組織に与える影響力にも限度がありますからね



古い会社ほど「今までのやり方を変えたくない」という勢力も根強いですし
その場合はもっと偉い立場になって会社を変えるか、もしくは自分自身も転職して所属を変えるしかないでしょう。
退職した部下から上司に伝えたい2つの真理


私が退職する旨を伝えたとき、上司からはこんな言葉をかけてもらいました。
「いつ、どこで、だれとつながるかわからないから人脈は大事にしなさい。君なら他の会社に移っても通用するから大丈夫。何か困ったことがあればいつでも連絡しなさい。」
引き止めるでもなく、否定するでもなく、私の出した決断を尊重してくれたことは素直に嬉しく思いました。



う、う、う、なんていい話なんだ…



退職する部下に「裏切り者」のレッテルを貼るような最低な上司を持たなくて本当によかったです
そんな上司に退職した部下から伝えたいことが2つ有ります。
部下は退職してより幸せになっている
仕事における価値観は人それぞれ、もっと言えばライフステージや市場の変化などの外部要因によって千差万別です。
- 若くて体力のあるうちにプライベートの時間を犠牲にしてでも働いて成長したい
- 技術の進歩によって市場が変化する中でなるべく成長分野に身をおきたい
- 子供ができたのでワークライフバランスを充実させて家族と過ごす時間が増やしたい



ボクも20代と30代とで仕事に対する考え方が随分変わりました
退職して別の道を歩むことは「個人の価値観に応じて働く場を主体的に選択する」ということです。
そもそも日本には100万以上の会社があり、たまたま新卒で入った会社が人生を通してベストな選択であるなんて考えの方がムリありませんか?
転職する人の気持ちは転職経験者にしかわからない
どんなに思いやりのある上司だったとしても、結局自分が経験したことのないことにまで想像力を広げるのには限度があります。



今、企業で管理職に就いている人のほとんどは終身雇用が当たり前だった時代に入社したのでしょう
退職する側としては「新卒から同じ会社に留まっている上司に理解を求めても仕方ない」と諦めているのがホンネです。
そもそも転職は長いプロセスを踏んで決断することなので、部下が退職を知らせたときにはもう手遅れと考えましょう。
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部下の退職が寂しいときの向き合い方
どんな上司にめぐり合えるかはキャリアにおいて非常に大きな影響力を持っています。



もしかしたら、給料や福利厚生よりも大事なことかも知れません



転職するときも上司になる人の人柄や価値観は必ずチェックするようにしています
部下を失う寂しさは理解できますが、人生は一期一会です。
部下の人生は退職したかどうかではなく上司として毅然と向き合うことができたかどうかで決まります。
「自分のせいかも」と悲観することなく、悩みをしっかり言語化して次に進む努力をしましょう。
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