オープンワークはオープンワーク株式会社が運営する企業口コミを中心とする転職・就職のための情報プラットフォームです。
企業の口コミだけではなく、最近では「社員が選ぶ働きがいのある企業ランキング」や「退職者が選ぶ辞めたけど良い会社ランキング」といった企業ランキングを発表しているので、目に留まったことがある人もいるのではないでしょうか?
最近では就活生もみんなオープンワークで企業の口コミをチェックしているみたいですね
自分の企業がどんな風に評価されているのかも参考になって便利だわ
そんなオープンワークに投稿される情報の信憑性と効果的な使い方を実際に転職で使った経験をもとに解説します。
結論、オープンワークは以下の使い方が便利です。
- ライフワークバランスを軸に転職活動する際の残業時間確認
- 入社前に予想される手取り給料のシミュレーション
- 部署毎の職場の雰囲気や企業文化の参考
- 転職エージェントからの情報収集ネタとして引き合いに出す
- 複数の会社から内定をもらった際の比較
オープンワークの信憑性を裏付ける4つの根拠
オープンワークを利用する上で一番気になるのは口コミ情報の信憑性ですよね?
先に結論を言ってしまうと、オープンワークの口コミを100%信用して鵜呑みにすることは不可能です。
実際にオープンワークの運営ポリシーにも「あくまで参考情報の一つ」にすることを推奨しています。
OpenWorkに掲載されている情報は、あくまでも投稿者の体験に基づく主観的なご意見・ご感想です。原則として、掲載内容の正確性、最新性、有益性など、あらゆる点に関してOpenWorkが内容を保証できるものではございません。あくまで参考情報の一つとしてご活用ください。
引用元:OpenWork-“運用ポリシー”
オープンワークの投稿だけを根拠に重要な決断をしてしまうのは危険ですよ!
このことを前提として、それでもオープンワークの信憑性がある程度期待できると感じる根拠をまとめます。
圧倒的な口コミ数
オープンワークでは既に社名がVorkersだった2007年から累計の口コミ数が1000万件を突破しています。
ライバルの「転職会議」がおよそ300万件の口コミ数なので、オープンワークの口コミ数は企業口コミサイトの中でも圧倒的です。
転職会議のおよそ3倍を超える口コミ数は驚異的な数字ですね
口コミ数が多ければ多いほど極端な口コミが総合評価に与える影響が薄まり、より情報に信憑性が増します。
これはオープンワークが長年にわたって蓄積してきたデータとユーザーからの信頼の上に築いた成果といえるでしょう。
厳しいガイドラインと事前審査
オープンワークでは口コミに厳しいガイドラインを設けて掲載前に事前審査を目視で行っています。
投稿されたレポートに対して、運営スタッフによる目視での審査を行っております。OpenWork独自のレポート回答ガイドラインに則り審査を行い、不適切な回答と判断できる場合には、非掲載の処置をとっております。
引用元:オープンワーク:-“運用ポリシー”
この他にもオープンワークでは以下のようなルールを設けて口コミの信憑性向上を図っています。
- 投稿する口コミに500文字以上という条件を設定して投稿のハードルを高める
- 他の口コミからのコピペを禁止
- 不適切な口コミの報告システム
- 噂話や不確かな情報の投稿禁止
- 不自然なタイミングでの連続投稿、意図的に企業の評価を高める(下げる)目的の投稿の禁止
大手経済誌が記事内でオープンワークのデータを参照している
最近は「日本経済新聞」や「ダイヤモンド」といった大手の経済誌が記事の中でオープンワークのデータを参照しているものが増えてきました。
参考:日本経済新聞-“管理職候補生こそ多様性を 投資家や企業統治指針が圧力”
参考:ダイヤモンド-“コロナ時代に評価を上げた会社ランキング!現役社員によるスコアで抽出”
投資家の中にはオープンワークの「社員満足度」を企業の価値を測る1つの指標にする人もいるそうよ
こうしてみるとオープンワークの口コミデータベースが日本の経済界の中でも確固たる地位を確立しつつあることがうかがえます。
自分のライバル企業を高く評価
企業の口コミサイトを運営するオープンワーク株式会社自身の評価はどうなっているのか?
興味本位で調べてみたら3.39という、割と平凡なスコアが出てきました。(2021年8月時点)
一方で、ライバルサイトである「転職会議」を運営する株式会社リブセンスの評価を見てみると3.80と、オープンワークより高い評価です。 (2021年8月時点)
少なくともオープンワークが恣意的に自分のスコアを上げていることはなさそうですね
個人的にはオープンワークが発表する「新卒入社してよかった企業ランキング2021」に株式会社リブセンスが上位入りしているのも面白いと感じました。
参考:働きがい研究所 by OpenWork-“新卒入社してよかった企業ランキング2021”
オープンワークの信憑性をちょっと疑問に思うポイント
口コミ数が多かったり、大手経済誌に引用されていたり、オープンワークの口コミを信用できる根拠もある一方で「これはちょっとどうなの?」と疑問に思うこともあります。
特に類似サイトの「転職会議」と比較するとオープンワークに足りない部分が見えてきます
そこでオープンワークの「ここはイマイチ信憑性に欠ける」と思う点についてもいくつか紹介します。
非正規社員の口コミも混ざっている
派遣社員や契約社員などの非正規社員は正社員と比較して会社への帰属意識が低く投稿がネガティブになりがちです。
オープンワークでは口コミのフィルター条件で正社員/非正社員を分けることができません。
正社員としての転職を考えている人にとっては少し見づらい設計です
特に日本に工場を持っている製造業は、期間工などの口コミも入ってしまうと実態より評価が低くなるかもしれません。
職務経歴にない企業の口コミも記入できてしまう
オープンワークでは実際に1年以上の勤務経験のある会社に対しての口コミ投稿を推奨しています。
にも関わらずWeb履歴書に記載していない企業にも投稿可能なのが実態です。
事前に目視審査したとしても全てを防ぐのは限界がありそうですし…
転職会議であれば在籍した企業から投稿先を選択するようになっています。
働いた経験のない会社に対する投稿を防止するという点に関して言えば転職会議の方が高い信憑性を担保された設計であるといえます。
スカウト機能との併用
オープンワークには企業の口コミだけでなく、以下のような採用機能もついています。
- Web履歴書の掲載
- 求人情報の掲載と応募
- 企業や転職エージェントからのスカウト
口コミサイトには転職希望者もたくさん登録しているから合理的なのはわかるけど…ちょっと不安よね
特にスカウトは登録者のWeb履歴書を読んでオファーを送るので以下のようなアナウンスを徹底する必要があります。
- Web履歴書はどこまで公開され、どの情報は非公開なのか?
- 非公開の情報が公開される条件はなんなのか?
- 特定の企業・エージェントをブロックすることはできるのか?
オープンワークはスカウトをしている割にこれらの周知が足りていないと思います。
一応、利用規約には以下のようにWeb履歴書の公開/非公開範囲について記載があります。
第7条:スカウトについて
スカウトとは求人企業や就職・テンショクエージェントが本サービス上で保存したWeb履歴書のうち、個人が特定できる情報(氏名、フリガナ、電話番号、メールアドレス等)を含まない情報を閲覧・利用し、当該ユーザーが求人条件に該当すると判断された場合に応募のオファーが受けられるオプションサービスです。
引用元:オープンワーク-“利用規約”
このように明記はされていますが、利用規約なんて普通のユーザーは細かくチェックしませんよね?
例えばスカウト型転職サイトとして有名なビズリーチは専用のQ&Aページを設けて登録者に周知しています。
今後スカウト機能を拡大していくなら、オープンワークもそういった努力が必要になってくるでしょう。
関連記事
【実体験】なぜオープンワークから届くスカウトが良質なのか?2つの理由とWeb履歴書を書くコツを解説
転職におけるオープンワークの上手な使い方
内定をもらった企業をオープンワークで見たら評価が低かった…これって辞退すべき?
と、その判断はさすがに早すぎます!
オープンワークの情報のなかにも信憑性が高いものと低いものがあるのでニーズに合わせて見分けることが重要です。
特に転職において私が重視したオープンワークの投稿と注意点をまとめます。
定量的に評価できる口コミを重視する
オープンワークに口コミを投稿する人は、既にその会社を退社済みの場合が多いため、感情論や恨み節もたくさん見受けられます。
オープンワークで本当に重視すべきなのは定量的に評価できる口コミです。
- 月の手取り収入は○○万円しかなかった
- 残業時間は○○時間を越えることが常態化していた
- 年間の有給休暇消化率は○○%くらいだった
退職した人でもこういった定量的な情報で嘘の投稿はしづらいでしょうしね
逆に「退職検討理由」や「経営者への提言」といったところはやや、感情論が目立つので参考程度にとどめておきましょう。
直近の口コミを重視する
政府による働き方改革の推進やコロナ禍における働き方の変化により職場環境は年々早いペースで変化しています。
そのため、投稿者の退職時期が古いほど信憑性が期待できなくなります。
最近は本当に環境の変化が早いので、目安としては退職してから1-2年以内の投稿を中心にみていくのがおすすめです
オープンワークの口コミは回答日順で並び替え、投稿者の退社時期を見ることができます。
ただし回答日 = 投稿者の働いていた時期ではないので、あわせて退社時期についても確認しましょう!
求人を募集している部署の口コミを重視する
同じ会社でも、部署によって働く環境や抱えている課題は様々です。
例えばメーカーなら本社のスタッフ系社員が書いた口コミと工場勤務する技術者が書いた口コミでは全く内容が異なります。
転職の場合は求人の時点で配属部署が決まっていることが多いのでその部署の口コミを重点的にチェックしましょう。
オープンワークなら職種、入社形態、性別とった基本情報で口コミをフィルター可能です。
相対評価として利用する
総合評価3以下の企業はブラックなのか?
残業時間が40時間以上の場合はやめるべきか?
と、オープンワークの口コミを絶対評価として使うのは「転職の可能性を狭める」のでおすすめしません。
- 今の職場と比較してどのような働き方の違いがありそうか?
- 業界別の傾向や、その中における転職候補先の立ち位置はどうか?
- 複数社から内定をもらった場合はどちらにどのような利点がありそうか?
例えば日本を代表する自動車産業におけるトヨタがどのような位置づけか、といった情報は非常に参考になります。
さすが日本一の企業は評価も高いし職場環境もホワイトなことがわかりますね!
このように相対評価として利用するのにオープンワークはとても優れたツールといえます。
転職エージェントとの情報収集に利用する
私が転職活動を通じてオープンワークの情報が一番役に立ったのは転職エージェントとの会話ネタとしてです。
転職エージェントは心強いパートナーである一方、企業から依頼を受けた立場でもあるため、特に企業のネガティブな情報を積極的には話してくれません。
エージェントから本音を引き出したいときは「オープンワークにこんな口コミがありますけど?」とこちらからネタを提供するとスムーズに会話がしやすくなります。
少し嫌な顔をされることもありますが転職を妥協しないためには必要なコミュニケーションです
オープンワークの信憑性ある投稿を上手に利用するために
冒頭の繰り返しになりますが、企業口コミサイトの情報は決して鵜呑みにするべきではありません。
ですが、オープンワークは転職活動を妥協しないための心強い武器としては十分役立ちます。
情報の信憑性よりも利用する側のリテラシーの方が重要ですね
複数の企業口コミサイトを併用すれば更に多角的に企業の内情を分析できるわよ
転職では企業の決算資料、エージェントからのアドバイス、面接で受ける印象など様々な情報から総合的に「自分に合う合わない」を見抜く必要があります。
オープンワークの口コミはそのなかでも「入社した後の姿」を想像するのに最適な情報です。
コメント