「わが社は女性が働きやすい職場です」
「希望する人には平等にチャンスが与えられます」
「ダイバーシティ経営を推進しています」
そんな言葉に期待して入社したのに、役員はおじさんばかり、海外部門で女性は営業事務ばかり…
いや、ダイバーシティの意味とは?
確かに海外営業って男性ばかりが配属されるイメージですよね?
昔はそうでしたが、最近では女性が活躍する機会も増えてきていますよ
「海外出張や駐在は男性がやるべきもので女性には営業事務や貿易事務を任せよう」なんて考えはもう古い!
そこで海外営業に活かせる女性の強みや活躍しやすい企業の特徴を解説します。
私は海外売上比率8割を超える大企業の海外部門で働いていますが、周りの同僚には優秀な女性がたくさんいて直属の上司も女性です。
そんな職場にいると、活躍する女性には意外な共通点があることもわかりました。
なぜ海外営業で活躍する女性が少ないのか?
私は大学時代、イギリスに語学留学をしていたことがあります。
その時に気づいたのは、日本人留学生の男女比は圧倒的に女性が多いという事実です。
統計で見ても海外志向が強いのは女性の方が多いみたいですね
ボクの周りも海外ボランティアやTOEICに積極的な女性が多い印象です
ではなぜ、会社に入ると海外の第一線で働く女性が減ってしまうのか?
それは日本の会社が長い間男性中心に作られてきた組織だからに他なりません。
- 女性が海外を飛び回るなんて危ないだろう
- 出張で家を空けたら家事や育児に支障があるのでは?
- 夜行便や時差ぼけなどの体力勝負の仕事は男性向きだ
一部の会社には未だにこのような偏見が根強くあります。
では本当に男性が活躍しやすい仕事内容か?と聞かれたら別にそうでもありません。
むしろコミュニケーション力が高く、若いうちから積極的に異文化交流をしていた女性には男性以上に海外営業の素質があるといえます。
もちろん体力勝負な一面もありますが、それだけをもって「女性にはできない仕事」と決め付けてしまうのは飛躍しすぎといえるでしょう。
海外出張や海外駐在はどうする?
「家庭を持ったら海外に行くのは難しいのでは?」
「海外出張中の家事や育児はどうするのか?」
たまにこのような疑問を目にしますが、家事も育児も男性がやればいいだけでは?
日本は未だに「家事は女性がやるべき」っていう価値観が根強いですね
会社だけでなくパートナーにも柔軟な考えを持ってもらうことが必要ですね
実際、日本の男性は世界的に見ても家事・育児への参加率が低いようです。
欧米だけでなく新興国にも第一線で活躍する女性は日本以上にたくさんいます。
海外営業で活躍する女性を増やすには日本人男性の意識そのものが変化しなければならないのかもしれません。
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海外営業に活かせる女性の強み
海外営業の仕事は女性の方が向いているのかもしれない…
10年以上のキャリアがある私もときどき「彼女には敵わないなぁ」と同僚に対して思うことがあります。
少なくとも私の見てきた範囲では成果を出している優秀な海外営業は女性である確立が高いです。
海外に携わる仕事で活かせる女性の強みってなにかしら?
個人差はあるけどやっぱりコミュニケーション力の部分が大きいかな
特に海外営業で活躍する女性には共通して以下のような特徴があります。
英語力が高い
実は留学生の男女比だけでなく、外国語学部の男女比も女性の方が高いです。
学生時代に多くの海外経験を積んできた女性の英語力は海外営業でも確実に通用します。
後輩女性の英語力の高さに引け目を感じることすらありました
TOEICスコア900以上の女性も周りにはたくさんいて、600点で海外営業になった私は肩身の狭い思いをしたものです…
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異文化への柔軟な適応力
海外といっても発展途上国に女性が行くのは危険では?
と思われがちですが、実は途上国を訪れるのも男性より女性の方が多い傾向があります。
例えば途上国でボランティアをするJICA海外協力隊は女性の参加率の方が高いんです
日本の常識が通じない海外営業において異文化適応力の高い女性は不可欠な存在といえます。
細やかな情報整理
言葉の壁がある海外とのコミュニケーションで最も警戒すべきなのは曖昧な意思決定です。
- PCのデスクトップがファイルだらけ
- メールボックスのフォルダ整理ができない
- 会議のアジェンダや議事録を文書化するのが面倒
このようなずぼらな性格の人は海外営業に向いていません。
言ったor言わないの論争になると後々面倒になりますからね
そこで細やかなコミュニケーションの記録化と情報整理ができる女性は海外営業でも非常に重宝されます。
周囲を巻き込む力
自戒もこめてですが、男性は困難に直面したときに「自分の力で切り抜けよう」とする人が多いように感じます。
しかし、時にはその性格が円滑な報告・連絡・相談の妨げに…
海外営業の仕事はトラブルの連続なので早めの報連相が不可欠です
一方で上手に周囲を巻き込んでトラブルを未然に回避できる女性の方が円滑に海外の仕事を進められる印象です。
私も若い頃は報連相が遅れた結果トラブルが大きくなってしまい、苦労しました…
覚えてもらいやすい
女性の海外営業が少ないということはデメリットもある一方でメリットもあります。
特に海外の顧客や上司から名前を覚えてもらいやすいのは女性にとって大きなアドバンテージです。
営業にとって顔を覚えてもらうことは評価にも直結する大事なことです
「数が少ないならその環境を逆に利用してやる!」
同期の女性はその言葉通り、若くして海外駐在にも選ばれ、今も出世頭の1人として第一線で活躍しています。
海外営業を目指す女性が選ぶべき企業とは?
- 周りは働き方改革が進んでいるのに未だに長時間労働が常態化している…
- リモートワークが普及するかと思ったけど結局今までどおり毎日出社…
- 人材の新陳代謝が悪く古い考えのバブル入社組がずっと居座ったまま…
こうした状況の中で日本企業のグローバル化は大きく二極化してしまいました。
ホームページでグローバル化を強調している会社も実態はどうかしら?
自己PRだけでなく、ボクたち自信が会社を選ぶ目を養うことも大切だね
女性が海外営業として活躍するのに適した企業かどうか?
それを見極めるには以下の3つの特徴に注視する必要があります。
活躍している女性がたくさんいるか?
海外営業かどうかに関わらず女性が働きやすい職場環境かどうか?は重要な指標です。
- 女性の管理職はどのくらいいるか?
- 産休後も職場に復帰して活躍できるか?
- 男性の育休取得率は増加傾向にあるか?
最近では政府主導で男性の育休取得も促進されていますね
これらの実態を調べるには企業のホームページだけでは限界があります。
おすすめは企業口コミサイトで「働く人の生の声」を事前に調べておくことです。
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ライフワークバランスは充実しているか?
時差や地理的な壁がある海外営業の仕事はライフワークバランスが犠牲になりがちです。
- フレックス制は導入されているか?
- リモートワークは普及しているか?
- 有給休暇取得率は高いか?
男女問わず家庭を持ってからでも海外営業を続けたい場合はライフワークバランス重視の企業を選びましょう。
男性の私も転職で一番重視したのはライフワークバランスの充実です
私が新卒で入社した会社は残業が常態化しており、海外営業部の上司たちはみんな家庭を犠牲にしていました。
そんな元上司たちのようになりたくな買った私は、現在ではフルリモートで海外営業の仕事と家族の時間を両立できています。
海外売上比率は高いか?
海外売上比率が高い企業には以下のような特徴があります。
- 外国人従業員を意識した人事制度
- 外国人投資家を意識した経営方針
- 外国人顧客を意識した製品開発
その結果、海外売上比率の高い企業には女性が海外営業で活躍しやすい企業文化が自然と作られます。
そもそも女性が営業の第一線で活躍することって海外では当たり前なんです
特に海外売上比率が50%を超えてくると「日本の伝統的(男性的)なやり方」が維持できなくなるので目安にすると良いでしょう。
海外営業で活躍する女性は増えていきます!
海外進出を拡大している企業もあれば、逆に海外から撤退して国内の売上に注力する企業もあります。
この海外進出の明暗を分ける要因とは何なのか?
私は女性が活躍できるかどうかが企業の海外事業を成功させるカギになると考えています。
海外進出に成功している企業は等しく女性の活躍も促進されています
多様性のある企業には優秀な人材もたくさん集まりますからね
私は2回の転職を経験していますが、過去に働いていた会社はいずれも女性の活躍機会が少なく、海外売上比率が年々縮小しています。
一方で海外売上比率が80%を超えている現在の会社は性別に関わらず活躍の機会を与えられ、直属の上司を含め管理職の女性もたくさんいます。
「多様な人材が活躍する企業が売上を伸ばし、さらに多様な人材が活躍できる機会を得る」
一人ひとりがそんな好循環の中に身を置くことが出来ればきっと海外営業で活躍する女性はどんどん増えていくでしょう。
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